震災後6年が過ぎ、被災者の皆さんのも新たな生活に移りつつあります。
何時までも過去を振り返ってばかりではいけない、地域の住民が希望をもてる事をやりたいと、震災前は蛍の大群生が見られた、南三陸町切曽木地区で現地の皆さんからの要望を受けて、蛍再生プロジェクトがスタートしました。
今回は、現在の現地の環境調査も兼ねて、上尾明社さんが育ててくれた、平家蛍(比較的に源氏蛍より育て易い)を地元の方が作った育成ハウスに試験的に、放流しました。放流したのは、現地の方が作った蛍育成地に孵化用の土手を築き、苔やクレソンを植え、タニシ(平家蛍の餌)を撒いてからの放流になりました。放流後、蛍の幼虫がヤゴ等に捕食されない様、ハウスネットで池を囲ってきました。上手く順応してくれれば、6月下旬には、蛍光が見られると思います。
今後は、本番の源氏蛍の再生にチャレンジしていく訳ですが、源氏は中々ハードルが高いので、3年計画で再生をしようと考えています。
①源氏蛍が飛んでくれるためには、餌になる大量のカワニナがその場所に繁殖(その場所で卵を産み育つ)していなければなりません。
②カワニナが繁殖するためには、カワニナの餌になる、水苔やクレソン等が育つ環境を作らなければいけません。
③源氏蛍が育つ環境が出来れば、蛍の幼虫の放流をするのですが、生態系のバランスを考えると、あまり遠隔地からの移植は出来ませんので、近隣の蛍を捕獲しての放流になります。
その他、人為的な蛍再生ですので色々と自然界では必要無い手間をかけてあげなければいけない様です。
今後は、①〜③を3年程度繰り返しして、現地での繁殖を目指します。
次回6/24は、まだ現地の環境は完全には整っていませんが、試験的に近隣地区で源氏蛍(雄と雌)を捕獲して、切曽木に放流します。 (報告 萩谷)